１．日本の村落共同体

日本における共同体といえば、まずは良いにしろ悪いにしろ村落共同体の歴史が日本の歴史であったように思われます。日本が農耕社会になってからは、生産性の向上のための共同体の構築なくしては生産活動は出来ないといってもいいほど重要な農村の生産組織でもありました。
村落共同体という概念は，社会学的にはもちろん都市工学や都市設計、経済学，歴史学，農業経済など多くの分野で，それぞれ多様な意味合いで使用されており、村落共同体を一義的に定義することには多少の問題があるようであります（森本 芳樹氏）。しかし石高を経済の単位とするような藩幕体制以前の社会にあった共同組織のうちで、およそ次のような特徴がある場合を指して村落共同体と呼んでいいように思われます。